5月12日、天皇杯第47回日本車いすバスケットボール選手権大会3日目は決勝が行われ、宮城MAXが埼玉ライオンズに71-35で勝利し、11連覇を達成した。MVPは藤本怜央(宮城MAX)が5度目の受賞。3位決定戦はワールドBBCがパラ神奈川SCに54-45で勝利した。
本大会98得点、攻守にわたりチームを牽引したエースの藤本怜央
平成の絶対王者は令和でも強かった。
宮城MAXは開始早々、エースの藤本がミドルシュート、3ポイントシュートと次々にシュートを決める。「前半のあのタイミングで3ポイントを決めれたので、今日は調子がいいと思った」と藤本。藤本に加えて、藤井郁美、土子大輔も確実にシュートを決めていく。埼玉ライオンズは宮城MAXの固い守備とリバウンド力の前に、思うように攻めきれない。宮城MAXが37-14の大量リードで前半を折り返した。
後半も宮城MAXの勢いは止まらず、3Q終了時には57-22の35点差をつける。4Q、宮城MAXは次々と若い選手を投入しながらも点差を守りきり、71-35と快勝。11連覇、令和初代王者の栄光を手に入れた。
藤井新悟ヘッドコーチは「この大会に臨むまで、チームの状態はどうなるかわからなかった。今いるメンバーが1人1人全力をだすことを考えていた。11連覇といっても、1大会1大会、1戦1戦の積み重ねの結果。誰か一人でも欠けていたら、この連覇はなかった。ここで連覇ができたことが一番嬉しい」と喜びを噛み締めた。
日本代表としても期待のかかる若手のホープ、赤石竜我
昨年のアジアパラ競技大会で日本代表も経験した18歳赤石竜我(埼玉ライオンズ)は「完敗です。僕らの予想以上に宮城MAXは強かった。何もできないまま40分終わってしまった」と必死に涙をこらえながら語った。
勝負を決定づける3ポイントシュートを放つ竹内厚志。本大会7本の3Pを決めて、3P賞を獲得。
3位決定戦はワールドバスケットボールクラブがパラ神奈川スポーツクラブに54-45で勝利した。4Q終盤までシーソーゲームが続いたが、ワールドBBCが竹内厚志の3ポイントを起点に連続得点し、パラ神奈川SCを突き放しての勝利。選手兼ヘッドコーチの大島朋彦は「昨日の準決勝(宮城MAX戦)は負けたが手応えはあった。チームとして次のステップ進むために、今日は勝ちたかった。3位は嬉しい」と笑顔を見せた。
【結果一覧(最終日)】
・3位決定戦
ワールドBBC 54-45 パラ神奈川SC
・決勝戦
宮城MAX 71-35 埼玉ライオンズ
最終結果
優勝 宮城MAX(11連覇)
2位 埼玉ライオンズ
3位 ワールドBBC
◎個人賞
・MVP賞 / 藤本怜央(宮城MAX)
・オールスター5
クラス1 / 斉藤貴大(伊丹スーパーフェニックス)
クラス2 / 赤石竜我(埼玉ライオンズ)
クラス3 / 竹内厚志(ワールドBBC)
クラス4 / 藤井郁美(宮城MAX)
・サントリーやってみなはれスピリッツ賞 / 赤石竜我(埼玉ライオンズ)
・三菱電機Changes for the Better賞 / 藤井新悟(宮城MAX)
・3P賞 / 竹内厚志(ワールドBBC)、古澤拓也(パラ神奈川SC)
(文 / 竹内圭、撮影 / 峯瑞恵)