Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2019年12月1日

2019アジアオセアニアチャンピオンシップス

男子日本代表、アジア王者イランを撃破!女子日本代表は世界4位の中国に惜敗

相手のミスを誘う好守備を見せたチーム最年少の赤石竜我 | 男子日本代表、アジア王者イランを撃破!女子日本代表は世界4位の中国に惜敗|2019アジアオセアニアチャンピオンシップス | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

相手のミスを誘う好守備を見せたチーム最年少の赤石竜我

 
12月1日、2019アジアオセアニアチャンピオンシップス(タイ・パタヤ)では予選リーグ第2戦が行われ、男子日本代表はアジア王者のイランと対戦。序盤からディフェンスが機能し、イランの高さを活かした攻撃を封じた日本は、71-51で快勝した。一方、女子日本代表は昨年の世界選手権4位の強敵、中国と対戦。常に追う展開となったが、最後に猛追を見せ、40-48と今大会初勝利まであと一歩に迫った。

「これまで積み上げてきたものがある日本のチームは強い、ということを実感していた」と言い、強豪イランに大差をつけての勝利を可能性として感じていたという及川晋平HC。そんな指揮官のチームへの期待に応えるかのように、この日の男子日本代表は、出だしから攻守にわたって強さを発揮し、力強いスタートを切った。

第1Q、イランが苦手とするオールコートのプレスディフェンスをしいた日本は、試合開始1分後には早くも8秒バイオレーションで相手の攻撃の芽を摘むなど、守備で圧倒。ティップオフ直後に先取点を奪われたものの、その後4分以上もの間、イランに追加点を与えなかった。その間、日本は藤本怜央を中心に得点を重ねてリードを広げ、19-12とした。

しかし、第1Qでのプレスディフェンスから、ハーフコートでのゾーンディフェンスに切り替えた日本は、インサイドを破られ、我慢の時間帯が続いた。それでも「大会随一」と自信を持つ選手層の厚さで打開する。途中、香西宏昭と宮島徹也を投入することによって再び流れを引き寄せた日本は、36-22と2ケタ差をつけて試合を折り返した。

前半を終えたこの時、日本のターンオーバーが5に対して、イランは17を数えていた。
いかに日本のディフェンスがイランをかく乱させていたかがわかる。

後半に入っても、日本のトーンはまったく落ちなかった。それどころか、ディフェンスは激しさを増し、それに対し、イランは徐々に集中力を欠いたプレーやジェスチャーが増えていった。

結局、第1Qから第4Qまで、すべて日本の得点がイランを上回った。それは、「イランの高さに、日本のスピードが上回った」ことを意味していた。

3カ月前の「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP」では、イランから勝利を挙げたものの、決勝進出の条件となっていた「15点差以上」というミッションはクリアできなかった。その雪辱を果たし、昨年の世界選手権4位の強豪に20点差で快勝した日本。この後に待ち受けている世界3位のオーストラリアを倒し、全勝優勝を目指す。

後半、果敢にシュートを放ち、チーム最多の17得点を挙げた網本麻里 | 男子日本代表、アジア王者イランを撃破!女子日本代表は世界4位の中国に惜敗|2019アジアオセアニアチャンピオンシップス | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

後半、果敢にシュートを放ち、チーム最多の17得点を挙げた網本麻里

 
昨年のアジアパラ競技大会決勝で、30点差での完敗を喫した女子日本代表。その相手である中国との一戦、日本は1年前の屈辱を晴らすべく試合に臨んだ。

左右のサイドにボールを展開し、2 on 2のかたちでローポインターがピックをかけてハイポインターがミドルシュートを打つ。あるいはマークから外れたトップの選手がフリーでミドルシュートを狙う。

単調ではあるものの、世界屈指の好シューターを擁する中国は、その戦略で昨年は世界選手権4位、そしてアジアパラ競技大会優勝と、今や世界トップに君臨している。そして、今大会も戦い方は変わってはいなかった。第1Qから次々と2 on 2を駆使したミドルシュートを決め、得点を重ねていった。

しかし、その一方でイメージしていたようなスピードは感じられなかったと言い、自分たちの方が十分に上回っていることを感じたという日本。なかなか得点シーンが生まれない中でも、最大の武器としている素早いトランジションからの守備で引き離されまいと耐え続けた。

そんななか、後半に入って、息を吹き返したかのように目覚ましい活躍を見せたのが、網本麻里だ。前日に続き、この試合でも前半は得点がなかった網本。「アシストしようと周囲を見すぎていた」という前半の反省点を踏まえ、後半に入ると、自ら積極的にゴールに向かっていった。

そんな網本の気持ちをのせたボールは次々とネットに沈み、中国との差を縮めた。この網本の活躍をきっかけに、攻守にわたって日本が流れを引き寄せたのは、第4Q、残り4分を切って以降だった。網本のこの試合3本目となる3Pが決まると、最後はインサイドに飛び込んだ萩野真世がオフェンスリバウンドを拾い、そのまま得点に結びつけた。

この間、日本のディフェンスはしっかりと機能し、中国には一度も追加点を許さなかった。

40-48。大会初勝利はお預けとなったが、1年前、30点差をつけられた相手に対し、8点差にまで追い上げたことは、チームが成長した確かな証でもある。しかし、もちろん結果に満足も納得もしてはいない。女子日本代表が目指すのは勝利のみだ。

明日の休養日を挟み、3日にはオーストラリア、4日には中国と再び対戦する。両チームに対して、日本の勝機は十分にある。あとは、これまで積み上げてきたものをコート上で発揮できるかどうか。チームの真価が問われるのは、これからだ。

(文・斎藤 寿子、撮影・峯 瑞恵)

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