Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2019年12月3日

2019アジアオセアニアチャンピオンシップス

女子日本代表、豪州に3点差の惜敗。男子日本代表は今大会初黒星

攻守にわたって存在感を発揮した柳本あまね | 女子日本代表、豪州に3点差の惜敗。男子日本代表は今大会初黒星|2019アジアオセアニアチャンピオンシップス | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

攻守にわたって存在感を発揮した柳本あまね

 
12月3日、2019アジアオセアニアチャンピオンシップス(タイ・パタヤ)では予選リーグが行われ、女子日本代表はオーストラリアと対戦した。今大会初勝利まであと一歩のところまで迫ったが、55-58と惜しくも敗れた。一方、男子日本代表は韓国と対戦し、55-67で敗れて今大会初黒星を喫した。

「今日は、絶対に勝たなければいけなかった試合。そして勝てる試合だった。最後の最後、本当の勝負どころでのプレーを磨いていかないと、世界には勝てない。勝つだけのスキルはある。あとは集中力の問題です」

試合後、女子日本代表の岩佐義明HCはそう悔しさをあらわにした。それだけ勝つ可能性が十分にあった“惜敗"だった。

今大会、女子は2つのディビジョンに分かれて予選リーグが行われており、日本はオーストラリア、中国と同じディビジョン1。3チームが総当たりで2試合ずつ対戦し、その順位によって、ディビジョン2の上位1チームを加えた4チームで行われる決勝トーナメントでの組み合わせが決まる。

岩佐HC率いる女子日本代表は、オーストラリア、中国と1度ずつ対戦し、ここまで0勝2敗。この日、オーストラリアとの再戦で今大会初勝利を挙げ、決勝トーナメントに向けて勢いをつけたいと考えていた。

勝利への強い気持ち、覚悟は、この日スターティングメンバーに抜擢されたチーム最年少、柳本あまねのこんな言葉からもうかがえた。

「絶対に勝たなければいけない試合だったことは、チーム全員がわかっていました。だからこそ、単に『勝つぞ』と言うだけでなく、何をすべきか、すべて入念に確認をし、そしてアップの時から声を出してみんなで士気を高めていきました。やれることはすべてやり尽くして臨んだ試合でした」

その気迫は、コート上でもしっかりと表れていた。ここまでの2試合、特に33-50と、まさかの大敗を喫した初戦のオーストラリア戦とは一変し、日本らしいスピーディなバスケが展開された。

チームが最も重視しているディフェンスは、オールコートでのマンツーマン・プレスディフェンスと、ハーフコート・ディフェンスの2つのスタイルを織り交ぜ、オーストラリアのビッグマンたちを簡単にはゴールに近付けさせなかった。

そのディフェンスからの素早い切り返しから行う“アーリー・オフェンス"では、クロスピックを有効に使って相手をかく乱し、ハーフコートでは巧みなボール・ムーブメントでシュートチャンスを作り出した。

なかでもこの日、躍動という言葉にふさわしい活躍を見せたのが、北田千尋だ。この日初めてスタメンに抜擢された北田は、指揮官の期待にしっかりと応えてみせた。第1クォーター、北田は75%のフィールドゴール成功率で8得点を叩き出すと、第2クォーターも70%の高確率でボールをネットに沈め、9得点。この北田の活躍もあり、日本は前半を終えて29-23と6点リードで試合を折り返した。

後半に入っても、北田の勢いは止まらず、それがそのままチームの勢いとなっていた。第3クォーターは逆転を許したものの、40-41とわずか1点差。勝機は十分にあった。

勝負の第4クォーター、序盤で立て続けに得点を許し、6点差にまで開いたが、中盤以降に猛追。ここで気迫のこもったプレーを見せたのは、柳本だった。岩佐HCからも「トランジションバスケの申し子」と高い評価を得ている柳本は、スピードに絶対的な自信を持つ。この日、多用したプレスディフェンスで体格の上回るビッグマンにも果敢にコンタクトして動きを封じるなど、主に守備でチームに貢献していた。

その柳本が、第4クォーターの中盤、攻撃でもスピードを活かしたプレーを見せた。ディフェンスリバウンドからの速攻で、パスを受けた柳本は素早くドリブルでゴールへと走った。その背後から追ってきたのは、“超ビッグマン"。2倍以上も体格差のある相手からプレッシャーを受けながらも、柳本はしっかりとレイアップシュートを決めてみせた。さらに、連続で得点を挙げた柳本。これで52-54と、2点差に迫った。

残り時間は1分40秒。どちらに勝利の女神が微笑むかは、まったくわからなかった。

しかし、ここでオーストラリアに痛恨の連続得点を奪われ、残り時間30秒で6点差としてしまう。残り3秒で網本麻里が3Pを決めるなど、最後まで戦う姿勢を貫いた日本だったが、今大会初勝利にはあと一歩届かなかった。

藤本怜央に次ぐ12得点をマークし、守備でも積極的なプレーをみせた鳥海連志 | 女子日本代表、豪州に3点差の惜敗。男子日本代表は今大会初黒星|2019アジアオセアニアチャンピオンシップス | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

藤本怜央に次ぐ12得点をマークし、守備でも積極的なプレーをみせた鳥海連志

 
一方、及川晋平HC率いる男子日本代表は、予選リーグ第4戦で韓国と対戦した。エースのキム・ドンヒョンを軸にした攻撃がさえわたった韓国に、第1クォーターからリードを奪われた日本は、追う展開に。第2クォーター以降も、なかなかリズムをつかむことができずに苦戦を強いられた。

一方、これまでは固定されたメンバーで戦い、後半に入ると疲弊し、集中力を欠いたプレーで崩れることが多かった韓国だが、この日は違っていた。40分間出場し続けたキムを除き、出場時間をシェアした“全員バスケ"を敢行。そのため、後半に入ってもトーンが落ちるどころか、さらにギアを上げてきた。

そんな韓国の勢いを最後まで止めることができず、流れを引き寄せられなかった日本は、今大会初黒星を喫した。

大会6日目の4日は、男女ともに予選リーグ最終戦を迎える。男子は世界選手権銅メダルのオーストラリアと、女子はアジア最強の中国と、それぞれ対戦する。予選の最後を白星で飾り、決勝トーナメントに弾みをつけることができるか。日本代表の戦いは、これからが正念場だ。

(文・斎藤 寿子、撮影・峯 瑞恵)

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