序盤から3ポイントシュートを決める主将の古澤拓也。
6月8日(現地時間)、2017IWBF男子U23世界車椅子バスケットボール選手権大会(カナダ・トロント)が開幕。日本は予選プール第1戦でフランスと対戦し、75-50と初戦を白星で勝った。
第1Qの序盤こそ、フランスのトランジションの速さにばたついた日本だったが、徐々に最大の武器であるプレスディフェンスが機能し始めると、キャプテン古澤拓也のスリーポイントをはじめ、オフェンスでも次々とシュートを決め、中盤に一気に主導権を握るかたちとなった。第1Qで31-14と大きく引き離した日本は、そのまま一度も逆転を許すことなく、リードを守った。
京谷和幸HCは、「こういう大舞台というのはこれまで味わったことのない選手ばかりなので、初戦はとても大事だったが、チームの一番の武器であるプレスディフェンスで流れをつかんで、リードを守りながら全員を出すことができた。初戦にしてはいい試合だったと思う」と選手たちの頑張りをたたえた。
また、12人中、10人が得点を挙げ、75得点をたたき出したことについては「予想外」と語り、嬉しい誤算だったことを明かした。しかし、途中でパスミスなど雑なプレーが目立ち、逆に相手にシュートチャンスを与えた場面も何度か見受けられた。京谷HCも「50点は与え過ぎ」と言い、「これからは40点台に抑えて、こちらは60点台を挙げて勝つような試合をしていきたい」と語った。
明日9日は、イギリスと対戦する。5月のドバイ遠征では39-63と完敗した相手だ。日本は古澤、鳥海ら強化指定選手が不在だったとはいえ、イギリスが手強い相手であることは間違いない。初戦はアメリカに87-50と快勝し、勢いづいているイギリスに対し、果たして日本はどう挑むのか。
「今日勝ったことは、選手には大きな自信になったはずです。確かにイギリスは強い。バランス良く得点を積み重ねられる選手がいるし、スピードもある。そのイギリスに対して、日本がどこまで粘り強いディフェンスをできるか。今日と同様に、真っ向勝負で挑みたいと思います」と京谷HC。“ディフェンスで勝つ"を合言葉に、明日も攻めの守備で試合の主導権を握るつもりだ。
結果一覧=1日目=
【Aプール】
イラン 72 - 68 オーストラリア
カナダ 66 - 35 イタリア
トルコ 77 - 37 ブラジル
【Bプール】
日本 75 - 50 フランス
イギリス 87 - 50 アメリカ
ドイツ 89 - 24 南アフリカ
(文・斎藤寿子、写真・岡川武和)