3Q後半、得意のアウトサイドシュートを決める熊谷悟。
6月11日(現地時間)、2017IWBF男子U23世界車椅子バスケットボール選手権大会(カナダ・トロント)、日本は予選プール第4戦でアメリカと対戦し、一度もリードを許すことなく、64-57で勝利。これで無傷の4連勝となった。
開始早々、日本の最大の強みであるプレスディフェンスが、アメリカを襲った。
高さがあるアメリカをゴールに近づけさせまいと、日本はオールコートでのディフェンスを敷いた。すると、アメリカはボール運びに苦戦し、8秒、24秒バイオレーションを繰り返した。逆に日本は、キャプテン古澤拓也がアウトサイド、インサイドの両方からゴールを狙い、一人で12得点を叩き出し、日本は18-6と大きくリードした。
しかし、第2Qの後半、日本がディフェンスラインを下げると、アメリカが猛追。36-29と7点差にまで迫った。
そんな中、京谷和幸HCが「ようやく自分のプレーを取り戻してくれた」と語る通り、第3Qで躍動したのが、熊谷悟だ。残り1分半の間に、得意とするミドルシュートを立て続けに2本決めると、さらにゴール下でのシュートも決め、日本に勢いをもたらした。
「やっと自分が得意とする右ミドルが決まって、率直に気持ちが良かったです」と熊谷。前日までは気負いから体が動かなかったが、京谷HCの「おまえには味方がいるんだぞ」という言葉で気持ちがほぐれたのだという。
4Q残り1分の大事な場面でフリースローを2本決める寺内一真。
そして第4Qの終盤、アメリカの追い上げムードが高まる中、残り1分を切ったところで寺内一真が相手のファウルを受けてフリースローを得ると、これを2本ともに決めてみせた。さらに、ファウルゲームをしかけてきたアメリカに対し、古澤もフリースローを決めてリードを広げ、日本が逃げ切った。
明日の予選プール最終戦では、ドイツと対戦する。前日、イギリスとの接戦に敗れたドイツだが、高さがあるうえにトランジションの速さもある。そのドイツに対して、日本の武器であるディフェンスがいかに機能するかがカギを握る。
結果一覧=4日目=
【Aプール】
オーストラリア 60 - 53 イタリア
イラン 59 - 46 ブラジル
トルコ 70 - 38 カナダ
【Bプール】
日本 64 - 57 アメリカ
イギリス 119 - 23 南アフリカ
ドイツ 66 - 63 フランス
(文・斎藤寿子、写真・岡川武和)