後半、イギリスのディフェンスからドライブをしかける古澤拓也。
6月15日(現地時間)、2017IWBF男子U23世界車椅子バスケットボール選手権大会(カナダ・トロント)、日本は準決勝でイギリスと対戦し、34-76と完敗を喫した。明日は3位決定戦で、3大会ぶりのメダル獲得を狙う。
まさに「力負け」だったーー。
イギリスは予選で一度対戦している日本に対し、万全の対策を練ってきた。アウトサイドからのシュートがほとんどの日本のオフェンスに対し、イギリスはボールマンに素早くプレッシャーをかけ、攻撃の糸口を封じた。苦し紛れのシュートはことごとく外れ、試合開始から8分間、日本は無得点に終わる。
逆にイギリスはピックアンドロールをしかけ、あるいはミスマッチをつくるなどの連携プレーから、ハイポインターがゴール下を攻め、次々と得点を生み出していった。
日本は残り1分半で、鳥海連志が3ゴールを挙げたものの、ときすでに遅し。第1Qは6ー23と大きく引き離された。
1Qでイギリスから厳しいプレッシャーをかけられる古澤拓也。
これが最後まで大きく響いた。日本は、第2Qではオールコートのプレスディフェンスをしくと、これが機能し、イギリスの得点は減少した。だが、オフェンスではアウトサイドのシュートを封じられ、突破口を見出すことができない。
後半、日本はドライブやカットインプレーをしかけるなど、積極的にインサイドを攻め、そこからパスアウトとして、アウトサイドからのシュートを放つなどの工夫をこらした。しかし、イギリスの勢いを止めるまでには至らず、ダブルスコア以上の差で敗れた。
「試合の出だしが悪かった原因は、僕が選手たちの気持ちを乗せてあげることができなかったことにあると思います。メダル獲得がかかるような試合を経験したことがないだけに、選手たちはプレッシャーに押し潰された部分があったかもしれません」と京谷和幸HCは敗因を語った。
しかし、下を向いている暇はない。明日には、オーストラリアとの3位決定戦が待っている。そこで、メダルを獲得する、しないでは、大きな差となる。
「明日は最後なので、小細工なしで、最初からプレスで攻めていきます。選手の心の部分を立て直して、明日の試合に臨みたいと思います」と京谷HC。
泣いても、笑っても、明日が最終戦。この12人のメンバーで戦うのも最後だ。気持ちを新たに、3大会ぶりのメダル獲得に向けて、全員で戦う。
(文・斎藤寿子、写真・岡川武和)