5月15日、2021ITU世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会が山下公園周辺特設会場(神奈川県横浜市)で開催された。20カ国、総勢60名(男子45名、女子20名)の選手が参加した。
PTS2女子では秦由加子(キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・ブリヂストン)が、1時間25分43秒で2位。コロナ禍の中、優勝したストックウェル(アメリカ)とは1年以上SNS等でやりとりをしていたという秦。レース後のインタビューでは、「お互いにそれぞれの場所で頑張っているというのをすごく感じていた。コロナ禍の中、自分自身も彼女がすごく励みになっていた。今日、一緒にレースが出来たということが嬉しかったし、この大会をすごく楽しみにしていた。」と久々のライバルとの再会を喜んだ。
「自分としては良いパフォーマンスだった」と振り返ったのは、PTS4男子で1時間02分22秒の3位となった宇田秀生(NTT東日本・NTT西日本)。前日の記者会見で、スイムではできる限り離されないようにトップに食い付いて、得意のバイクでしっかり詰めていくと話していた。その言葉通り、スイムでは7位と出遅れたが、バイクで6位、ランで3位まで順位を上げるレース展開となった。「現時点での自分の位置が分かったので、パラリンピックまでは自分のやれることをやっていきたい。」と今後を見据えていた。
【日本人選手結果一覧】
●PTWC男子
木村潤平 1時間03分34秒 5位
●PTWC女子
土田和歌子 1時間18分45秒 7位
●PTS2男子
中山賢史朗 1時間27分04秒 5位
●PTS2女子
秦由加子 1時間25分43秒 2位
●PTS4男子
宇田秀生 1時間02分22秒 3位
●PTS4女子
谷真海 1時間15分33秒 2位
●PTS5男子
梶鉄輝 1時間01分59秒 8位
佐藤圭一 1時間04分15秒 9位
●PTVI男子
米岡聡 1時間00分46秒 4位
高橋勇市 1時間06分27秒 9位
中澤隆 1時間13分29秒 10位
●PTVI女子
円尾敦子 1時間18分18秒 3位
【トライアスロン】
「スイム」(0.75km)「バイク」(20km)「ラン」(5km)の3種目の合計タイムを競う。連続して3種目(合計25.75km)を行う過酷な競技のため「鉄人レース」とも呼ばれる。
レースは大きく分けて「車いす」「(肢体不自由の)立位」「視覚障がい」の3つのカテゴリーに分かれて男女別に行われ、そのうち「立位」では障がいの程度によってクラスが分かれている。
カテゴリー・クラスごとに装具や用具の使用が認められている。たとえば、車いすの選手は「バイク」では手で漕ぐ「ハンドサイクル」、「ラン」では陸上と同じ競技用車いすの「レーサー」を使用する。また、視覚障がいのクラスでは、「ガイド」(伴走車)がパートナーとなって一緒に競技を行う。「ラン」の時にはロープなどを持って並走し、「バイク」では「タンデム」(二人乗り自転車)を使用する。
各種目に移るトランジションの時間も競技タイムに加算されるため、いかに素早く着替えたり、乗り降りしたりするかが重要。このトランジションの速さが、勝敗を分けることもある。