5月15日、16日の2日間、第18回日本デフ陸上競技選手権大会が知多運動公園物産フードサイエンス1969知多スタジアム(愛知県知多市)で開催された。
今大会は来年2022年5月にブラジルで行われる第24回夏季デフリンピック競技大会の日本代表選手選考を兼ねた大会で、総勢39名の選手が参加した。
男子ハンマー投げには2017年のサムスンデフリンピックで銅メダルを獲得している石田考正(EY Japan)と、2009年の台北デフリンピックで金メダル、2013年のソフィアデフリンピックで銀メダルを獲得し、世界ろう記録も保持している森本真敏(埼玉陸協)が出場。大会2日目の天候は雨。ハンマー投げも小雨が降りしきるなか行われた。
石田が2投目に53m60の記録を出し終盤までリードを守るも、最終6投目で森本が54m24の記録を出し逆転。そのまま森本が優勝を掴み取った。
今回の試合を振り返って森本は、「久しぶりの試合でとても緊張していたが、今回目標としていた54mを超えることができた。今回は来年のデフリンピックの派遣標準記録を超えることができたので、このままデフリンピックで60mの記録を出すことを目指して頑張っていきたい」と話した。
また石田を「ライバル」と表現する森本は、「石田くんと一緒に日本代表として出場して、日本のハンマー投げをもっともっと有名にしていきたい」と自身のビジョンを語った。
男子100mでは、2017年デフリンピックのリレーで金メダルを獲得している佐々木琢磨(仙台大TC)が来年のデフリンピックの派遣設定標準記録である11秒01を切る10秒92(風-1.8)の記録を出し、優勝した。
レース後、佐々木は「今大会は知名度が低い大会であるため、知名度を高めるためにも記録を出したいという気持ちがあった」と語った。
また自身の記録については「とにかく派遣標準記録を突破することが大事だと思っていたので今回突破できて良かった。ほっとしています」と目を細めた。