積極的にシュートに向かい19得点を記録した藤本怜央
8月30日、東京パラリンピック・大会7日目。
ここまで予選リーグ3勝1敗の車いすバスケットボール男子は、最終戦となるトルコとの一戦に臨んだ。2018年の世界選手権以来の対戦となるトルコは、立ち上がりから高さを生かしたプレーで勢いづくが、日本は選手交代で流れを一気に変え、持ち味であるトランジションバスケで立ち向かう。27-28で前半を折り返すと第4クォーターで一気に引き離し、自分たちのバスケを貫いた日本が55-67で勝利。日本は予選リーグ4勝1敗でグループA・2位通過となり、9月1日、決勝トーナメントでオーストラリアと対戦する。キャプテンの豊島は「僕たちの目標はメダル獲得なので、次の一戦が本当に重要になる。しっかりそこを勝ち切りたい」と決勝トーナメントへの意気込みを勝った。
ドリブルを仕掛ける日本のエースストライカー、川村怜
5人制サッカーは予選・第2戦目に臨み、パラリンピック4連覇中のブラジルと対戦した。試合序盤からブラジルがボールを支配し日本は苦しい展開を強いられる。前半を0-1で折り返すと、後半には立て続けにゴールを許し0-4で敗れた。第3戦では予選リーグ突破をかけ勝ち点で並んでいるアジアの強豪・中国と対戦する。
アーチェリーでは女子個人コンパウンドと男子個人W1が行われ、大山晃司が決勝ラウンドに出場した。
1回戦、試合は同点のままシュートオフまでもつれ、お互い10点をマークするも大山の矢が3mm中心に近く接戦をものにした。しかし、続く準々決勝でトルコのニハト・タークメノグルに129-133で惜しくも敗れ、ベスト4進出とはならなかった。
陸上のやり投げでは日本人選手として初めてパラリンピックに2名の選手が出場。男子F46(切断・運動機能)の白砂匠庸は58m35cmで6位、山﨑晃裕は57m69cmで7位に終わった。白砂はパラリンピックでの戦いを終え、「ここまで来られたことがうれしい。家族やコーチ、スタッフ、職場の方々には感謝してもしきれない。東京パラリンピックはそんな舞台になったと思う」と思いを語り、山﨑は「納得のいく、喜べる記録ではないが、ここまでの道のりに悔いはない。パラリンピックの舞台で自分が競技している姿を見て、一人でも多くの方々を勇気づけられたり、同じ障害のある子供たちに希望を与えられたのであれば、それ以上嬉しいことはない。そのためにこれからも挑戦していきたい」と今後の活躍を誓った。
ボッチャはBC2の杉村英孝が個人1次リーグでポルトガルの選手と対戦。6-1で勝利を収め3戦全勝とし準々決勝進出を決めた。一方、BC4 江崎駿、BC1藤井友里子、BC3河本圭亮は予選敗退となった。BC2(運動機能)クラス予選で杉村英孝が6-1で勝利。予選リーグ3連勝で日本人唯一の準々決勝出場を決めた。試合後杉村は「目の前の試合を一つ一つ勝っていくだけ」と決勝リーグへの意気込みを語った。
水泳では、連日メダルを獲得している鈴木孝幸がこの日も200m自由形で銀メダルを獲得し、これで金・銀・銅すべてのメダルを手にした。そして、200m個人メドレーに出場した視覚障害の富田宇宙が銅メダルを獲得。400m自由形の銀メダルに続き2個目のメダル獲得となった。レースを終え富田は「400m自由形が終わってみなさんからたくさんのメッセージをいただいた。この東京パラリンピックの持つ意味とか力をすごく実感し、今日のレースはそれに報いたい気持ちで泳いだ。自己ベストでメダル獲得という目標をもう一度皆さんのおかげで達成することができてとっても幸せな気持ち」だと喜びを語った。
車いすテニス男子シングルス3回戦では、東京パラリンピック日本選手団の主将を務める国枝慎吾が中国の紀珍旭を6-0、6-1で下し、女子はシングルス2回戦に登場した上地結衣がブラジルのメイリコル・ドゥバルに6-0、6-0で快勝し、ともに8強入りした。また試合が深夜に及んだ男子ダブルスは、準々決勝で国枝慎吾・眞田卓ペアがオランダのペアを2−0で下し、ベスト4進出を決めた。
■日本人結果一覧
【競泳】
男子200m自由形 S4(運動機能)
第2位 鈴木孝幸 決勝:2分55秒15 予選:3分3秒47
男子200m個人メドレー SM11(視覚)
第3位 富田宇宙 決勝:2分28秒44 予選:2分32秒87
第5位 木村敬一 決勝:2分29秒87 予選:2分32秒60
女子50m背泳ぎ S5(運動機能)
第6位 成田真由美 決勝:47秒86 予選:49秒72
男子200m個人メドレー SM13(視覚)
予選敗退 齋藤元希 予選:2分18秒24
男子50m背泳ぎ S5(運動機能)
予選敗退 日向楓 予選:41秒97
【陸上】
男子1500m T11(視覚)
決勝進出(予選2位) 和田伸也 予選:4分7秒96
決勝進出(予選4位) 唐澤剣也 予選:4分13秒32
男子100m T33(脳性まひなど)
第5位 安野祐平 決勝:22秒34
男子やり投げ F46(切断・運動機能)
第6位 白砂匠庸 決勝:58m35cm
第7位 山﨑晃裕 決勝:57m69cm
女子100m T11(視覚)
第9位 高田千明 予選:13秒66
男子1500m T54(車いす)
第7位 鈴木朋樹 予選:2分56秒34
第14位 樋口政幸 予選:3分3秒60
女子400m T20(知的)
第8位 外山愛美 予選:1分0秒17
【アーチェリー】
男子個人 W1(四肢) 1回戦
○大山晃司 129 – 129 ク・ドンソプ●
男子個人 W1(四肢) 準々決勝
●大山晃司 129 – 133 ニハト・トゥルクメンオール○
【ブラインドサッカー】
男子 予選リーグ - グループA
●日本 0 – 4 ブラジル○
【馬術】
個人フリースタイル グレードⅡ
第8位 宮路満英 決勝:67.434点
【ボッチャ】
個人 BC4(運動機能) 予選 グループC
●江崎駿 3 – 5 黄君恒○
個人 BC1(運動機能) 予選 グループA
●中村拓海 1 - 9 エドゥアルド・サンチェス レジェス○
個人 BC1(運動機能) 予選 グループD
●藤井友里子 1 - 5 アンドレ・ラモス○
個人 BC3(運動機能) 予選 グループA
○高橋和樹 3 - 2 アナ・コスタ●
個人 BC3(運動機能) 予選 グループC
●河本圭亮 2 - 3 謝徳樺○
個人 BC2(運動機能) 予選 グループB
○杉村英孝 6 - 1 クリスチナ・ゴンサルベス●
個人 BC1(運動機能) 予選 グループA
●中村拓海 1 – 11 デイビッド・スミス○
個人 BC2(運動機能) 予選 グループF
○廣瀨隆喜 4 – 3 ラスティスラフ・クリラーク●
【車いすテニス】
女子シングルス 2回戦
●田中愛美 0 - 2 ジョーダン・ワイリー○
女子シングルス 2回戦
○上地結衣 2 – 0 メイリコウ・ドゥバウ●
男子シングルス 3回戦
○国枝慎吾 2 – 0 紀珍旭●
女子シングルス 2回戦
○大谷桃子 2 – 0 ビクトリヤ・ルボワ●
男子シングルス 3回戦
●眞田卓 0 - 2 ゴードン・リード○
男子シングルス 3回戦
●三木拓也 0 – 2 ニコラ・ペフェール○
クアードシングルス 準々決勝
○菅野浩二 2 – 0 デビッド・ワグナー●
男子ダブルス 準々決勝
○国枝慎吾/眞田卓 2−0 カルロス・アンカー/ルーベン・スパールハーレン●
【車いすバスケ】
男子 予選リーグ グループA
○日本 67 - 55 トルコ●