東京2020パラリンピック競技大会 9/2【大会10日目】

水泳・山田美幸が2つ目の銀メダル獲得！車いすテニスは決勝進出

　
　9月2日、東京パラリンピック・大会10日目。
　勢いの止まらないトビウオパラジャパン（水泳日本代表の愛称）は、新たに2つのメダルを獲得。今大会、日本勢メダル第1号となった14歳の山田美幸が2つ目の銀メダルを手にした。女子50m背泳ぎ決勝。山田はスタートから積極的に攻め、予選を上回るタイムでフィニッシュ。100m背泳ぎに続くメダル獲得となった。最後のレースを終え「初めてのパラリンピックでとても緊張しましたが、みなさんの期待に応えられたと思うのでとてもうれしいです」と語った山田。受験生とあってしばらくは勉強に集中する。そして、ここまで日本勢最多の4つのメダルを獲得している鈴木孝幸が50m自由形でも銀メダルに輝き、出場した5種目すべてでメダル獲得という偉業を成し遂げた。

　
　5人制サッカーは最終戦となる5-6位決定戦に臨み、世界ランキング3位のスペインを1-0で破って5位で大会を締めくくった。この試合で勝利を決定づけるゴールを挙げた黒田智成は、「パラリンピックの舞台でみんなの気持ちがひとつになり奇跡のようなシュートが決まった。本当に嬉しい」と喜びを語った。また、キャプテンの川村怜は「もっともっと勝利を届けたかったが、苦しい時間帯も本当に日本中から応援の声が届いていた。僕たちに魂が宿っていたので最後まで戦い切ることができた」と初出場となったパラリンピックでの戦いを振り返った。

　車いすテニスは男子・女子ともにシングルス準決勝が行われ、女子シングルスでは上地結衣がオランダのアニークと対戦。過去2大会で負けた相手だけに「勝ちたい」と気持ちを強く持って試合に臨んだ。上地は粘り強いラリーで攻撃のチャンスをうかがい、一気に攻め込む気迫あるプレーで圧倒。6-2、6-2のストレートで勝利を収め、銀メダル以上を確定した。男子シングルス・準決勝には世界ランキング1位の国枝慎吾が登場。国枝は極限の集中力から繰り出す多彩なショットで主導権を握り、同5位のイギリス・リードを終始圧倒。6-3、6-2でストレート勝ちし、4日に行われる決勝戦で頂点を狙う。

　バドミントンは各カテゴリーの予選が行われ、車いす(WH)の女子ダブルスに出場した世界ランキング1位、里見紗李奈・山崎悠麻ペアが世界8位の韓国ペアを2-0のストレートで下し白星発進した。シングルスでは、同じく世界ランキング1位の里見が中国の選手に敗れたものの準々決勝へと駒を進めた。男子は、この日初戦を迎えた車いすの梶原大暉が緊張を乗り越えストレート勝ち。立位の今井大湧（上肢障がい）と藤原大輔（下肢障がい）も勝利を収めた。

　ゴールボール女子は準決勝に臨み、予選で1-7と大敗した世界ランキング1位のトルコと対戦した。リベンジに燃える日本は2点を先制、しかしすぐに2点を返されると点の取り合いとなり3-4で前半終了。後半、追い上げを図る日本だが、トルコの勢いは止まらず5-8で試合終了。日本は3位決定戦で2大会ぶりのメダル獲得を目指す。

　東京大会で初めてパラリンピック正式競技として行われるテコンドーには、日本勢の先陣を切って男子-61kgの田中光哉が登場。日本チームの応援に拳を突き上げ、引き締まった表情で入場した田中は初戦でブラジルの選手と対戦。「緊張からか距離感がつかめなかった」という田中は相手の攻撃に阻まれ、58-24で敗れた。続くアゼルバイジャン選手との敗者復活戦でも15-20と黒星を喫し敗退が決まった。

　ボッチャは団体戦・予選が行われ、前回のリオ大会で銀メダルを獲得した混合チーム（杉村英孝、廣瀬隆喜、藤井友里子、中村拓海）はスロバキアとの初戦で圧勝すると、続く、韓国戦では敗れ１勝1敗。9月3日にブラジルと対戦する。そして、世界ランキング7位の混合ペア（BC3）は初戦で同3位のオーストラリアと対戦し、途中追い上げられる場面があったものの3-2で勝利。続く香港戦（同2位）では惜しくも敗れ1勝1敗とし、決勝トーナメント進出をかけ、9月3日にポルトガル（同10位）、ブラジル（同6位）と対戦する。


■日本人結果一覧

【アーチェリー】
女子個人リカーブ オープン
2回戦　○重定知佳　7 - 1　高芳霞●
準々決勝　●重定知佳　1 - 7　呉 春艶○


【カヌー】
男子カヤックシングル KL1(運動機能)
第12位　髙木裕太　予選：1分0秒765

女子ヴァーシングル VL2(運動機能)
第10位　小松沙季　予選：1分14秒310

男子カヤックシングル KL2(運動機能)
第10位　辰己博実　予選：47秒757

女子カヤックシングル KL1(運動機能)
第8位　瀬立モニカ　予選：1分0秒180

女子カヤックシングル KL3(運動機能)
第9位　加治良美　予選：55秒777

男子ヴァーシングル VL3(運動機能)
第12位　今井航一　予選：58秒458


【競泳】
女子100m背泳ぎ S14(知的)　
第７位　福井香澄　予選：1分13秒12　決勝：１分12秒58
予選敗退　芹澤美希香　予選：1分16秒93

女子50m背泳ぎ S2(運動機能)　
第2位　山田美幸　予選：1分9秒44　決勝：1分６秒98

男子50m自由形 S4(運動機能)
第２位　鈴木孝幸　予選：38秒25　決勝：37秒70


【車いすテニス】
女子シングルス　準決勝
○上地結衣　2 - 0　ファン コート アニーク●

男子シングルス　準決勝
○国枝慎吾　2 - 0　ゴートン・リード○


【ゴールボール】
女子 準決勝
●日本　5 - 8　トルコ◯


【シッティングバレー】
男子　7-8位決定戦
●日本　0 - 3　中国○


【自転車】
男子個人ロードレース C1-3(運動機能)
第6位　藤田征樹　決勝:2時間11分6秒
第28位　川本翔大　決勝:2時間28分51秒


【テコンドー】
男子K44 61キロ級　
準々決勝　●田中光哉　24 - 58　ナタン セザル・ソダーリオ トルクアット◯
敗者復活戦　●田中光哉　15 - 20　イママディン・ハリロフ○


【バドミントン】
女子ダブルス WH1-2(車いす) 予選リーグ グループA
○里見紗李奈/山崎悠麻　2 - 0　イ・ソ ネ/カン・ジョン グム●
●里見紗李奈　0 – 2　尹 夢璐◯

女子シングルス SL4(立位・足)　予選リーグ　グループB
○藤野遼　2 - 0　ニパーダー・セーンスパー●
●藤野遼　0 - 2　馬 会会○

女子シングルス WH2(車いす) 予選リーグ グループC
●小倉理恵　0 - 2　 アムヌアイ・ウェートウィターン○

女子シングルスSU5(立位・足)　予選リーグ　グループB
○杉野明子 2 - 1　カタリーヌ・ローセングレン●

男子シングルス　WH1(車いす) 予選リーグ　グループC
○長島理　2 - 0　ダビッド・トゥぺ●

男子シングルス SU5(立位・腕)　予選リーグ　グループB
○今井大湧　2 - 0　アハマド マグディ アミン・エルダクロリ●

男子シングルス WH1(車いす)　予選リーグ　グループB
○村山浩　2 – 0　ヤン チン・ミ●

男子シングルス SL3(立位・足)　予選リーグ　グループB
○藤原大輔　2 – 0　ウクン・ルカエンディ●

男子シングルス WH2(車いす)　予選リーグ　グループC
○梶原大暉　2 - 0　トマ・ジャコプス●


【ブラインドサッカー】
男子5-6位決定戦
○日本　1 - 0　スペイン●

【ボッチャ】
団体 BC1/2(運動機能) 予選 グループB
○日本　8 - 2　スロバキア●

ペアBC4(運動機能) 予選 グループB
●江崎駿/古満渉/木村朱里　1 - 7　劉 慧茵/梁育栄/黄君恒○

ペアBC3(運動機能) 予選 グループB
○河本圭亮/高橋和樹/田中恵子　3 - 2　ジェイミーソン・リーソン/スペンサー・コティー/ダニエル・ミシェル●

団体BC1/2(運動機能) 予選 グループB
○日本　5 – 4　ポルトガル●

ペアBC4(運動機能) 予選 グループB
●江崎駿/古満渉/木村朱里　3 - 7　ダリア・アドニナ/セルゲイ・サフィン/イバン・フロロフ○

ペアBC3(運動機能) 予選 グループB
●河本圭亮/高橋和樹/田中恵子　4 – 4(2 – 0)TB　何宛淇/廖詠彤/謝徳樺

団体BC1/2(運動機能) 予選 グループB
●日本　5 – 6　韓国○


【陸上】
女子100mT12(視覚) 準決勝
予選敗退　澤田優蘭　12秒81

男子800m T54(車いす) 予選
予選敗退　鈴木朋樹　予選：1分37秒85

女子走り幅跳び　T63(運動機能・義足) 決勝
第4位　兎澤朋美　4.39m
第5位　前川楓　4.23m

女子100m　T64(運動機能・義足) 予選
予選敗退　髙桑早生　予選：13秒43

女子400m T13(視覚) 予選
第8位　佐々木真菜　予選：58秒48