Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア
2021年11月13日

第34回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会

東京パラ代表・水田が優勝、片山はパラ代表を退け逆転勝利!

男女混合10mエアライフル伏射(SH2)を制した水田光夏 | 東京パラ代表・水田が優勝、片山はパラ代表を退け逆転勝利!|第34回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

男女混合10mエアライフル伏射(SH2)を制した水田光夏

11月13日、「第34回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会」が高知県立春野総合運動公園ライフル射撃場でスタートした。全国の射手が集うこの大会には東京パラリンピックに出場した選手たちもエントリーし、日本一の座をかけて静寂で熱い戦いが繰り広げられた。

大会1日目の13日には10メートル種目が行われ、男子エアライフル立射SH1は望月貴裕(三重県障がい者射撃協会)、男子エアピストルSH1は森脇敏夫(株式会社ぎょうせい)が制した。また、混合エアライフル立射SH2では木下裕季子(オフィス木下)が優勝し、いずれも前回大会を上回る成績で連覇を果たした。

コロナ禍の中では射撃場の閉鎖により実射練習を積めない状況が続いた。森脇は今年5月に行われた東京パラリンピックのテストイベント以来の実戦だったというが気持ちが切れることはなかった。「パリパラリンピックに出場することが目標。パリでは決勝に残りたい」と今後の目標を語った。

続いて行われた混合エアライフル伏射には、東京パラリンピックに出場した佐々木大輔(モルガン・スタンレー・グループ株式会社)、渡邊裕介(渡辺石灰株式会社)、そして水田光夏(株式会社白寿生科学研究所)の3選手が登場し順当にファイナルに進出した。

そして望月は自身の成長の先に競技の普及を見据える。「自分自身が強くなってメダルを獲ることで射撃に注目してもらい、競技人口を増やして活性化したい。地元の三重ではスポーツフェスティバルで小中学生に体験射撃をやっているが、障がいのある人にも広げていきたい」と思いを述べた。
男女混合10mエアライフル伏射(SH1)を制した片山友子 | 東京パラ代表・水田が優勝、片山はパラ代表を退け逆転勝利!|第34回全日本障害者ライフル射撃競技選手権大会 | Glitters 障害者スポーツ専門ニュースメディア

男女混合10mエアライフル伏射(SH1)を制した片山友子

この日、一番の盛り上がりを見せたのはSH1のファイナル。
弾数が進むにつれて点数の低い選手から競技を終えていくという緊張感の中、一歩出遅れた佐々木が実力者の強さを見せつけ最高点の10・9点を2射連続でマーク。一気にトップへと躍り出てこのまま優勝するかと思えば、渡邊が意地を見せ1位の座を奪い返す。そこに続くは片山友子(株式会社ベリサーブ)。会場からは手拍子が起き高揚感を煽ると、佐々木がまさかの9・9点を出すミス。ざわつく会場に流されることなく優勝を手にしたのは片山。パラリンピック代表を退け堂々の日本一に輝いた。

片山は声をはずませ、「まさか優勝できるとは思っていなかった。うしろで会場の皆さんが応援してくれるのが雰囲気で伝わってきて、それに押されて自分の気持ちも盛り上がった。(優勝を決めた1射は)この試合の最後の最後だと思って丁寧に引き金をひいて打った」と優勝の喜びに笑顔を見せた。

一方の佐々木は「10・9点が2回続いて、いける!と思ってしまい気持ちが揺らいだ」と肩を落とした。パラリンピックから2カ月。現在の心境について、「燃え尽き症候群のような感じで気持ちがまだ上がっていない」と話すも、「東京パラリンピックは出場することが目標だったが、パリ大会ではメダル獲得を目標にしている」と、ぶれない思いを語った。

そして混合エアライフル伏射SH2で優勝したのは、東京パラリンピック代表の水田光夏。
「本選もファイナルも1位で終えることができたが、目標にしていた点数には全く届かなかった。強化指定選手の選考会を兼ねた大会でもあったので結果には素直に喜べない」と試合を振り返った。
それでも、日本パラ射撃の第一人者のひとり、アテネ、ロンドン、リオのパラリンピック3大会に出場した瀬賀亜希子(埼玉県身体障害者ライフル射撃連盟)の隣でファイナルに臨んだことに、「久しぶりに瀬賀選手と一緒に試合ができてすごく楽しかった。瀬賀選手は競技を始めた頃から目標とする選手、そういう選手と並んで撃てるのはすごくうれしい」と表情を緩めた。

選手一人ひとりの思いが交差するなか、熱い戦いが繰り広げられている全日本選手権。
大会2日目の14日には50メートル種目と、ビームライフル/ビームピストルの各種目が行われる。

【優勝者一覧】
AR60M-SH1 望月貴裕(三重県障がい者射撃協会)
AR60MW-SH2 木下裕季子(オフィス木下)
AP60M-SH1 森脇敏夫(株式会社ぎょうせい)
AR60PRMW-SH1 片山友子(株式会社ベリサーブ)
AR60PRMW-SH2 水田光夏(株式会社白寿生科学研究所)

(文・張理恵、撮影・竹内圭)

【射撃】
制限時間内に規定の弾数を撃ち抜き、その合計得点を競う競技。「ライフル」と「ピストル」があり、それぞれ障がいの種類や程度、撃つ姿勢によってクラスが分かれている。
的の中心から離れるほど得点は低くなるが、例えばエアライフルは標的までの距離が10m。その距離でパラリンピックに出場するようなトップクラスの選手は、5円玉の穴ほどしかない0.5mmの大きさの「10点台」を撃ち抜くのは当然の世界。さらに中心からわずかなズレによって「10.0」から「10.9」まで細かく刻まれるため、コンマの差で勝敗が分かれる。
寸分の狂いなく撃ち抜くには、高い集中力が必要で、自分自身の呼吸のリズムや心臓の鼓動までもコントロールする必要がある。しかし、時間制限内に60発を撃たなければいけないため、一発にかける時間は意外にも少ない。次々と撃ち込んでいかなければならず、シューティングフォームを体にしみこませ、いかに短い時間に集中力を高められるかが重要となる。
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