前島博之は大会史上初の2日連続アンダーパーをマークし優勝を果たした
9月27日〜28日にかけて、「第27回日本デフゴルフ選手権大会プルデンシャル生命CUP」が岡山空港ゴルフコース(岡山県岡山市)にて開催された。本大会は一般男子、女子、シニアの3つの部門に分かれて行われ、男性30名、女性12名の総勢42名が出場した。
大会初日、一般男子では前島博之が5アンダーで単独首位。2位の渕暢之に2打、3位の岩崎善徳に4打の差をつけ、大会初日を終えた時点で首位に立った。女子では、今年8月にオーストラリアで開催された「2024年世界デフゴルフ選手権」で初出場ながら世界3位に輝いた辻結名が、5つのバーディパットを沈め、2アンダーで首位を独走。高校3年生ながら、2位に13打差をつける驚異的なリードを見せつけた。
大会2日目は前日のスコア順で組が決定し、一般男子はトップの前島を追う展開となった。前島がバーディパットを決めれば、2位の渕も食らい付く一進一退の攻防が続き、前半ホールをイーブンパーで折り返した。後半最初のIN10ホールパー5で渕がバーディパットを綺麗に沈め、前日と合わせトップと1打差となる。逆転の兆しが見え始めたかに思えたが、今大会で好調を維持している前島がIN13、14ホールと立て続けにバーディを奪い、1度もトップを譲ることなくそのまま優勝を決めた。
前島は1日目スコア67、2日目スコア71のトータル138と2位に4打差をつけ、有無を言わせない圧倒的な強さを見せた。2日連続アンダーパーは大会史上初であり、大会参加者たちは前島の偉業に賞賛の拍手を送った。
パラフルスイングから放たれる18歳辻結名の精密ショット
一方女子では、辻の独壇場が続いた。前日2アンダーの辻は2日目も飛ぶ鳥を落とす勢いで、前半ホールを0ボギー3バーディと3アンダーで後半に繋げる。後半少々のミスはあったが、崩れることなく18歳とは思えぬ安定さと勝負強さで他の参加者から一線を画した。世界3位の実力は伊達ではなく、2位と22打の差をつけ初優勝を果たした。
辻のパワフルなスイングと、常に見せるフレッシュな笑顔は、今後の日本デフゴルフ界を更に高みへ導く可能性を感じさせる。彼女の今後の活躍に大いに期待したい。
今大会は、2026年にスウェーデンで開催予定のデフゴルフ世界選手権の選考も兼ねており、和気藹々とした雰囲気の中でも、推薦枠を巡って激しい競争が繰り広げられた。
また、来年2025年11月には「東京2025デフリンピック」の開催が決まっており、日本デフゴルフが未だ到達したことのない世界の頂をこの日本で見てみたい。
■受賞者一覧
【一般男子】
優勝:前島博之
準優勝:渕暢之
3位:岩崎善徳
【女子】
優勝:辻結名
準優勝:中島梨栄
3位:山下香織
【シニア】
優勝:田島時彦
準優勝:植松義晴
3位:前島和雄
( 撮影・文 / 村上智彦 )